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‘刀(山鳥毛)’説明会へ

12/6 国宝「山鳥毛」説明会へ

2016年夏、突然「謙信公の太刀‘山鳥毛’を上越市が3億2千万円で購入」という話が持ち上がり、なんだそりゃちょっと待てという声と義の心の謙信公の所持品がこの上越に来るのなら(上杉家は結果して米沢に移封となったため、上越市には謙信公はじめ上杉のものは春日山以外ほとんど所持していないのだ)、このチャンス逃してなるものかという声が混在している。
国宝を持つのはいいが、その金額は税金だろう、それでいいのか、他にもっと使い道が…という声、その声をかわすため?市民や市外の人たちから寄付を募って買いましょうという市の提案、寄付なんてとんでもない、自分は出さないけど税金なら買ってもいいという声、ほしい人たちが寄付しあって(税金使わないで)買うならいいという声、さまざまな声がさまざまな立場で上がっている。

そこで市も、刀(購入)に対して市民の理解を深めてほしいと、上越市内各区を回る説明会をはじめたのだった。
その巡回説明会、市はどういう風に説明するんだろうと、自分もこの刀について知りたかったのもあり参加してみることにした。

天気が悪かったので送ってもらって会場の公民館へ。
参加者どうかなと思っていたが駐車場はほぼ満車。
いきまーす

おじゃましまーす。(会場は左側の部屋)

会場に入ってみたら、ぬー…おじ(い)さんばかり。
まあこの時間では夕食タイムだしなかなか女性は出られないもんな。。。
若い人もいない。。。おじ(い)さん、小学生や中学生の孫や子でも連れてくればいいのに。

スライド1
はじまりはじまりー

市の方たち
説明するのは上越総合博物館の学芸員さんと文化行政課?の方たち。

スライド2
配られた資料のカラー原本をスライドにして説明。

実サイズとか
「太刀」と「刀」の違い、持ち方扱い方、重さ等の説明。

スライド3
この太刀そのものの見事さや謙信公が好んだ・所持していた証拠、
景勝公の自筆の「腰物目録(上物刀のコレクションベスト10)」にも載っていること、
そもそもこの刀はどこで作られたもので、それはこういう刀の産地で、刀文はこうやって作られて、この山鳥毛がいかに美しく完成度が高かったかというような刀についてやこの太刀が謙信公のもとにやってきたかという縁起の話などの説明。

続いて「国宝」そのものについての話。
国宝はどこそこにどれくらいあって、新潟県は十日町にしかない。
スライド4
国宝の刀ってのは122件しか存在しないこと、国宝になっている謙信の短刀は埼玉県が所有していること、そして謙信の2本の愛刀は行方不明になっていること…などの説明。

スライド6
そしてこの地区の謙信公にまつわる(土地の)歴史などの話ときて、謙信公の遺徳的な話…で「説明」は終了。


その後質問タイム。
…の、前にまずこれまでの経緯。
2015.6 「山鳥毛の所有者から『謙信公ゆかりの地に戻したい』という話がある」と長岡の歴博から連絡あり。
2015.9 上越総合博物館の館長が会う…が、この時はまだ「上杉ゆかりの地に」ということで米沢や会津も可能性としてはあった。
     ただ「ほしいのならばふるさとにもどすのはやぶさかではない」という反応もあった(らしい)
しばし非公開で交渉
     その間、大学教授1名、刀匠2名にこの太刀の評価額を出してもらう→3億2千万円
     (あくまでも評価額であって、実際額とは違う。
     黒田の茶碗の評価額が2億5千万だがオークションでは12億のようになる可能性もある)…から手に入れた方が。

2016.8 マスコミの報道で知られることになる。
     購入決定のように報じられたが、この時点では市としては決定ではなく購入の是非は市民に問うつもりだった

…そうで。

んでもって、市としては購入したいが、3月議会の予算計上時に否決されれば、もしくはその時可決されても次の議会で否決されればこの話はなかったことになる、んだそうだ。

質問タイムから
・国は国宝の買い上げはしない。それをやってしまうと国宝や文化財が(各地に)動かせなくなる。
・公立の博物館等での展覧会での国宝・文化財の貸借において、それに対しての貸借金は発生しない。
・観光や歴史ファン、今流行の刀剣女子などを視野には入れてはいるが、経済効果等商業的なものは算出していない
(のでこれを持つことでの「経済効果」は不明)
・しかし、国宝を持っているということは(他の博物館や資料館に対して、貸し借りにおいても)対等に、強気に出られる。
・市議会の6月議会で可決されれば、7月には所有できる…が、展示予定の総合博物館のリニューアル工事が終わって開館するまでは、長岡の歴博に保管してもらう。

・議会で否決され、購入話が流れた場合、寄付者が判明できるものは返還する。
 ただ、街角募金など寄付者が判明しない善意の寄付に対しては返還しない。

・太刀には刃こぼれがある。しかしこれは実戦で使われたものなのか、長い年月の中のどこかで破損したのかは不明
・この刀文がこんなに綺麗に残っているのは、あまり実戦では使われてこなかったため(刀は使われた場合、研げば研ぐほど減るため刀文も消えていくそうだ)
→…ってことは、謙信公も景勝公もこの刀については「使う」刀ではなく「所持してるだけで、眺めてるだけで満足」っていうもんだったんね。さすが刀マニア&コレクターw

で、あと、平成40年の謙信公没後450年と平成42年の生誕500年の時に刀があればいい目玉になるよなーって希望と。
スライド5
2028年と2030年だって。今が2016年だから…

上記の経緯等に関してはこちらも→(pdf)

参加者で唯一の若い人がいたのだが、「この説明会では(同世代の)仲間に、『刀を持つことでこんなにいいことがある』『だから賛同しようぜ』ということはできない。刀を上越市が所有した時の将来の展望ではなく刀の学習会のようで期待はずれだ」と苦言を呈していたのが印象的だったぞ。

うーん、あったらいいなーとは思うけど、
ただ金額的にはどうなんかなーっていうのと、
400年以上前の、唯一無二のものっていうのは、価値は計り知れないよなーってのと、
そこに国宝っていう付加価値ついちゃったことと、

ただ、こういう文化財ってものは、常時展示できない(年間60日)ことと、
それをするならレプリカが必要になることと、

十日町の国宝の火炎式土器みたいにその地で見つかったというのではなく
以前から上杉家の所有物で、それを里帰りさせるのが市民の悲願というのでもなく、
歴史研究者や刀剣愛好者しかその存在を知らず、今回の話で初めてその刀の存在を市も市民も知る…ようなもので

果たしてそれで「義の心・ふるさとへの誇り」が強くなるものなのかなーという気はする。

だからちょっとひっかかってるんだよなー(^^;)


まあ、でも、学芸員さんの「(歴史物とにかく)ほしい」って気持ちはわかった。
だってさー、他にないんだぜ。それが手に入っちゃうかもしんないんだぜ。
お金二の次で、やっぱり専門家的にはほしいと思うよね。
そういうの、分かる分かる。うん。
スライド7
ただ、(この刀ではないが)自分のお宝他人にガラクタという場合もあって、モノの価値付けは個人個人によって違うから、「へーすごいねそれはそれは」っていうのがすべて同じ濃さを持っているとは限らないとも言えるしね。

議決は市議会がやるものだから、結果は今の時点でどうなるかわからないけど、果たしてこの山鳥毛は上越に帰ってくるのか。
その時、遺恨なく市民すべてに歓迎されるのかどうなのか、そしてその結果どうなるのか、乞うご期待、ですかな。

先月からほぼ一ヶ月、2班に別れ各区巡って説明している課の方や学芸員さんたちについては(時間外手当つくんだろうけど)お疲れさまですはい…







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